幸福な銭湯、精神は戦闘

  

   こんにちは、父母のAです。

 

  

   今年のゴールデンウィークは、これまでのところ概ね好天に恵まれています。

 

    天気とは関係ありませんが、私は二人の子を連れて、一泊二日で実家を訪れました。片道小一時間もあれば着いてしまう実家です。

  

 

   実家の近辺は、かなり古くからの住宅がまだまだ残っていて、風呂のないアパートも散見されるような地域です。

 

   なので、昔ながらの銭湯が一軒あって、営業を続けています。

 

 

   私の中学生の息子は、いわゆるスーパー銭湯は行ったことがありますが、昔ながらの銭湯は未経験です。

 

   (一度行っておくのも経験だろう)と思い、夕食前に、息子を連れて実家から徒歩で出かけました。

  

   その銭湯は、外観を含めて、私が幼少の頃とさほど変わっていませんでした。

 

 

   番台でお金を払い、脱衣場に入ると・・・。

 

   いきなり!いらっしゃいました、左腕に模様の入ったおにいさん。

 

   間違っても、ファッション性を追求したタトゥーではありません。古式ゆかしい刺青です。

  

   「土地柄だな」と心の中でつぶやきながら、広いとは言えない脱衣場で、しずしずと衣類を脱ぎました。おにいさんの気持ちを、いたずらに刺激してはいけません。

 

  

   私は、銭湯等へ行くと、入浴前と入浴後に体重を計ることにしているので、その日も体重を計り、いざ浴場へ向かわんとしたその時。

  

   私達とすれ違うように浴場から出てきたのは、全身に模様が!!入ったおにいさん・・・。(すなわち首から下の全てです)

  

   「土地柄だ、土地柄だ」と自分に言い聞かせました。

 

   かなりの緊張感を覚えましたが、入浴せずに帰るわけにもいきません。

 

   平静を装い浴場に入った私は、スーパー銭湯では特に気にすることもないエチケットについて、息子に念押ししました。

 

 

・湯飛沫を飛ばすな 

・体に泡をつけたままで、浴槽に入るな

・洗い終えたら、イスとオケはキレイにして、元どおりにしろ

 

   などなど。

 

 

 

   不思議なもので・・・。

 

   たちどころに模様入りのおにいさん御二方を目にしたので、何も模様の入っていない人までおっかなく見えてきました。

 

 

  

   さて、無言のうちに体を洗った息子と私は、入念にかけ湯をして、湯舟へ入ろうとしました。

  

  その湯舟の湯が、これまた「熱いっ!」

 

 

   でも、騒ぐわけにはいきません。

   水でうめたら、誰かに叱られるかもしれません。

 

   ‘‘郷に入っては郷に従え’’です。

 

  

   ほんの短い時間ですが、きっちりと浸かり、そして出ました。

 

 

 

   最後にシャワーを浴びて、脱衣場へ戻ると、本日三人目!!!の模様おにいさん・・・。

 

   とうとう心が壊れました。

 

 

   「土地柄とはいえ、もう勘弁して」というのが、正直な気持ちでした。

 

   (三番目のおにいさんも、左腕に彫り込んだ方でした。)

 

 

 

   脱衣場でも息子とは一切会話をせず、粛々と服を着て、そそくさと銭湯を後にしました。

 

 

   店を出るやいなや、息子は、「オレ、ビクった」と恐怖感を吐露していました。

 

 

 

   考えてみると、2030分の間に、店で遭遇した20人弱のうち、三人もいらしたとは、なんという高い割合でしょうか。

 

  

   濃密なひとときでした。

 

   入浴後の体重計測は、完全に失念しました。

 

 



 

   以上が、事の顚末です。

 

 

 

 

   ところで、類稀なる緊迫感を味わうために実家に行ったのではありません。

 

 

   「夏のバザーに向けて、お客さまに喜んでいただけるような品はないだろうか。」

 

 

   そんな目的のために、実家に帰りました。

 

 

   親の目を掠めては、雑貨類をせっせと車に積み込みました。

 

 

 

   幾多の試練を乗り越えて、陽の目を見るであろう、数々の品々たち。

 

 

 

 

   近隣のみなさま、バザー当日をお楽しみに^_^