monologue by the god of fire


 ワシは火の神じゃ


 今回、植田第5第7学童からオファーがあったから、久しぶりに仕事をしたんじゃけども


・点火料
・台本作成料
・衣装料
・交通費

 以上の料金を計算して、請求書を送るから、学童さん、きちんと払ってくれよ


 まあ、空を飛べるから、実は「交通費」なんかは不要なのじゃが、事務所(マガイモノ芸能株式会社)には「羽根をケガした」と届け出てあって、今は飛べないことにしてあるから、交通費をもらったら、それをそっくり酒代にしようと思っておるのじゃよ、フォッフォッフォッ




 ところで、火を点け終わった後に、こんなことがあったなぁ

 高学年の弟くん(未就学児)がワシのところに近寄ってきて、こう訊くんじゃ

 「どこに すんでるの?」

 それっぽく答えないと雰囲気出ないから、「雲の上じゃよ」と言っておいた


 事実を言うと、市営神山駐車場というところで副業(駐車場係)しながら住み込んでおるんじゃけどのう

 物価高のあおりを受けて、本業だけでは生活できるものか



 話がそれたが、その弟くんはこうも訊いてきた

 「くものうえは あめはふるの?」


 「降らない」と答えておいたが、知らんよ、そんなこと
 なにせ、駐車場暮らしが長いんじゃから・・・



 その子とのやり取りが一通り終わって、やっとタバコでも吸えるかと思ったら、今度は学童児4〜5人に囲まれたな(確か、全員4年生女子じゃった)

 いろいろ言ってくるんじゃよ

 「今度は、火を消してみてよ!」
 とか、
 「鬼滅の刃の【ヒノカミ神楽】はやれるの?やれないの?」
 とかな

 口には出さなかったが、「できるか!そんなこと!」と思っていたよ(ヒノカミなんとかなんて、聞いたこともなかったぞ)

 大手の事務所に所属していれば、そういった新しい技術習得のための研修もあるじゃろうが、ワシの事務所は弱小だでな
 全部自腹で研鑽せんといかんのじゃよ



 今じゃあ、ワシの本業は駐車場係なのか、神なのか、自分でも分からなくなってしまったよ



 あんまり後ろ向きなことばかり言っていてはいかんな




 そういえば、こんないい光景を見ることができた

 さっきの弟くんのことじゃが、彼のおにいちゃんがトーチを回している時に・・・、
 無我夢中で、トーチの回転にタイミングを合わせて飛び跳ねておった

 微笑ましかったのう




 と、まあ、ここまでいろいろ言ってきたが、あの夜に、あの場所に集まっていた子どもと大人には、礼を言いたいんじゃ

 ええか

 言うぞ




 呼んでくれてありがとう

 観てくれてありがとう

 聴いてくれてありがとう

 手伝ってくれてありがとう

 一緒に火をつけてくれてありがとう

 話しかけてくれてありがとう

 記念撮影に誘ってくれてありがとう

 羽根をもぎ取っていって、それを背中につけてみて、喜んでくれてありがとう





 また、いつか逢えるじゃろう





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コメント: 2
  • #1

    fine ! finer !! finest !!! (火曜日, 02 8月 2022 07:30)

    You are a wonderful GOD !

    Great thanks !!!

  • #2

    god (火曜日, 02 8月 2022 08:12)

    fine ! finer !! finest !!! さん、コメントをありがとう

    You are wonderful, too ! じゃ


    次の神は、あなたかもしれんのう、フォッフォッフォッ